if ([] == false && []) {
console.log("True");
} else {
console.log("False");
}
なぜ実行結果が True になるのでしょうか?
内部的にはどのように評価されているのでしょう?
==
は様々な暗黙のデータ変換を行ったのちに比較が行われますから、時に予想外の結果を返すこともあります。
まずは、&&
の右側ですが、[]
はbooleanに変換される場合、true
になります。(JavaScriptの配列はobjectの一種ですが、objectは中身が見かけ空であってもtrueになります。)
ECMAScript® 2015 Language Specification
...
Object | Return
true
.
ややこしい闇の奥底を覗き込まないといけないのは、左辺の方で、以下に示すリンク先のあちこちを追わないと何が起こっているのか理解できなくなります。
7.2.12 Abstract Equality Comparison
詳細を追っていくのは大変なので、要約すると:
==
の右辺のbooleanは、numberに変換される(結果は0
)
==
の左辺objectは、まずstringに変換され(結果は""
)、その後numberに変換される(結果は0
)
よって、[] == false
は真。
わたしも調べなおしてみるまでは、まず[]
がbooleanに変換されてから比較されるので、true == false
と同値、つまりfalse
を返すと思い込んでいました。==
にまつわる変換で何が起こるのか熟知していない限り、==
はできる限り使わない、と言うのは正しい選択のようです。
!(["a"] == 1 && ["a"] == 0)
、左辺objectは、まずstringに変換 ⇒ !("a" == 1 && "a" == 0)
、その後numberに変換 ⇒ !(NaN == 1 && NaN == 0)
⇒ !(false && false)
⇒ !false
⇒ true
。文字列に変換されていたとしても不自然ではないと思いますが。
==
と&&
だと==
の優先度が高いので、[] == false
がまず評価され、その結果と[]
との論理積が計算されます。
論理演算において[]
はtrueになるので、あとは[] == false
がtrueになればいいわけですが、これは以下の様に評価されます。
[] == +0
[]
がtoString()
により空文字列に変換される: "" == +0
Number("")
): 0 == +0
==
は Javascript の闇ですから、なるべく===
を使用すべきです。