許されます。
APIやデータ構造の設計上、メリットというより自然にこうなる事があります。
無駄という事はないです。無理にこの構造を避けるより効率的な筈です。ただ、この手のオブジェクトに対して、いわゆるディープコピーのように、全てのプロパティを再帰的に辿ろうとすると無限ループになりますから、そこは対策が必要です。
一般に起こり易い状況
データ構造の個々の要素をオブジェクトとし、その要素自身に何らかの参照を持たせるようにすると、特定の状況でその参照が自分自身になる事があります。
循環リストを考えてみます。
個々の要素に次の要素を示す.next
というプロパティを持たせるとします。
先頭も末尾もないつながったリスト構造が出来て、要素は.next
でお互いを参照しています。
ところが、要素が削除されていって残り一つになると「次の要素は自分自身」という状況になります。
ここで、objA == objA.next // => true
となる訳です。
循環していない連結リストで考えると、例えば個々の要素に.first
として「リストの最初の要素」への参照を持たせるとします。
リストの最初の要素の.first
は自分自身ですからobjA == objA.first //=> true
となります。
ただ、JavaScriptではあまり連結リストを作ったりはしないですね。だから目にする事が少ないのかも知れません。
それでも、ブラウザなどの実行環境でこういった構造を探す事は可能です。以下は思い付いた例です。
オブジェクトが「プロパティのプロパティ」に自分自身を持つ例
質問の例と同じです(オブジェクトが「自分自身を、プロパティに含めて」いる例ではないですね)。
var html_elm = document.documentElement;
// 子の親は自分と等しいか
html_elm.firstChild.parentElement == html_elm;
// => true
// DOM の世界では true
オブジェクトがプロパティに自分自身を持つ例
window == window.window;
// => true
// Webクライアントにおいて、window はグローバルな名前空間であり、
// 自分もグローバル変数に入っているので自分自身を持つ事になる(しかも同名で)
var obj_to_str = Object.toString;
// 自分を文字列化するのは自分自身か
obj_to_str == obj_to_str.toString;
// => true
// 自分もオブジェクトなので true
// このケースは継承を通じた自己の参照
obj_to_str.hasOwnProperty("toString");
// => false
obj_to_str == Object.getPrototypeOf(obj_to_str).toString;
// => true