シェルスクリプトなどで /tmp
フォルダを利用したスクリプトを記述することがあります。
tmp フォルダにあるファイルは、これは定期的な削除の対象でしょうか。
その場合、どのような基準で削除されるのでしょうか。
意図しない削除によって、スクリプトの動作がおかしくなるといやなので、質問しています。例えば、ある定時に空になる運用だったときに、その時間に /tmp
フォルダを利用するスクリプトが走っていると、動作がおかしくなる、など。
ディストリビューションのデフォルトや管理者の設定によってどうとでもなります。ただし、たいていは「(再)起動時に消す」「○日以上更新されていないファイルは定期的に消す」といったロジックになっていると思います。作られて数分の一時ファイルが消されるような設定にはしないはず。
ちなみにPOSIXやFHS (Filesystem Hierarchy Standard)では、/tmpは再起動してファイルが残っていることを保証しないと言っています。またFHSでは、/var/tmpを、再起動しても消えない一時ファイルのためのディレクトリとしています。
UNIX のファイルシステムの特徴として
オープンされたままのファイルが rm
で削除されるとき、
- ディレクトリ中の inode
へのリンクは除去される=ファイル名は消去される
- inode
自体は削除されない=ファイルの内容はそのまま残り、アクセス可能
- ファイルが閉じられるとき inode
も未使用状態になる=ファイルの内容にアクセスできなくなる
なので、
- プロセスAが作業ファイルを開いたまま
- プロセスBがその作業ファイルを削除したとしても
- プロセスAは引き続き作業ファイルの内容にアクセスすることができる(オープンしている限り)
ため、そんなに問題になることはありません。
プロセスAが作業ファイルをいったんクローズし、クローズ後に再度開こうとすると
クローズした時点でファイル名、ファイル本体とも失われているため、
2度目のファイルオープンには失敗します。
なので /tmp
中のファイルをいつ削除しようとしても、問題は発生しないのが普通です。
逆に言うと、作業ファイルを作業中に削除されても問題ないようにプログラムを組むには、
プログラムは、作業ファイルを処理完了まで開きっぱなしにするのが正しい態度で、
途中で開き直すのはやめたほうが良い、ということになります。
弊害として、巨大な作業ファイルをオープンしっぱなしなプログラムが居るとき
(database 系ソフトなんかそうですね)
作業ファイルやデータベースファイルを削除しても「それだけでは」ディスク容量は空かないということになります。
当該プロセスを終了させないと inode
が開放されないためです。
lsof
コマンドなどを参照してください (osdn JM
に man
ページが無いな...)
exec 3> filename
や exec 3< filename
とすれば fd 3 としてオープン可能 (クローズするか終了するまで利用可能) ですので、echo ... >&3
や command <&3
のように利用することはできます。(クローズは、exec 3>&-
や exec 3<&-
です)
RHEL 6 やそれ以前なら tmpwatch
(8) と /etc/cron.daily/tmpwatch
を、RHEL 7 や systemd な環境であれば systemd-tmpfiles
(8) を参照。