- (NSRange)rangeOfFirstMatchInString:(NSString *)string options:(NSMatchingOptions)options range:(NSRange)range;
例えば上記のNSMatchingOptions
に該当しない値(例えばnil
or0
)を渡した場合の処理はどうなるのでしょうか?
nilになってoptions
がスルーされてしまうと正しく処理できすエラーになりそうなものですが、ならなかったので・・・
一般的にはAPIのパラメータに規定外の値を渡した時の動作は未定義であり、そのせいでアプリがクラッシュすることもあります。
ただし、Options
で終わるenum型の多くは、bitwise-ORで複数の値を組み合わせて使えるようになっています。(Objective-Cのヘッダファイルを開くと単純なenum宣言ではなく、NS_OPTIONS
マクロを使って定義されているものがこれに当たります。)
NSMatchingOptions mo = NSMatchingReportCompletion | NSMatchingAnchored;
NSRange range = [regex rangeOfFirstMatchInString:str options:mo range:NSMakeRange(0, [str length])];
ここで指定しているNSMatchingReportCompletion | NSMatchingAnchored
という値は、NSMatchingOptions
のenumで定義されているどの値とも違いますが、「規定外の値」ではなく、「NSMatchingReportCompletion
とNSMatchingAnchored
の両方を指定している」ものとして扱われます。(この組み合わせにどんな意味があるかは一旦忘れてください…。)
同じように0
という値(NSMatchingOptions
はC言語的には単なる整数型です)は、「NSMatchingOptions
のenumで定義されているどの値も指定しない」ことを表しているだけで、規定外の値ではありません。
(私自身は好みませんが、nil
は整数型の0に変換できるので、「どの値も指定しない」ことを表すのにnil
を使う人もいるのかもしれません。)
Cmd-clickで型名をクリックした時にObjective-Cのコード内でNS_OPTIONS
マクロで定義されているenum値については、「整数の0を与えると、どのオプションも指定しないことを表す」と覚えておけばいいでしょう。(どのオプションも指定しないことがクラスリファレンス等で明確に禁止されていない限り)安心して「0は何も指定しないだけ」と思って大丈夫です。