そもそもウェブサイトのサーバーサイドのソースコードを公開することは一般的にはあるんでしょうか?
あります。複数人でそのウェブサイトを開発し運用していく上で、ソースコードを共有することは重要になります。その共有場所としてソースコードがオープンな状況になってしまう場所を選択することも多いです。GithubのPublicリポジトリが代表例ですね。また、WordPressなどのインストールして使うようなソフトウェアも同様です。
サーバーサイドのソースコードを公開して全世界からのアクセスを許可した場合、どのような危険が考えられるのでしょうか?
結局のところ、「守りたいことは何か?」という点に尽きます。危険性の排除を最大限優先するのであれば、全て隠せば良いし、危険性が全くないのであれば、全て晒してしまって良いわけです。「守りたいことが何なのか?」の程度によって、隠すもの、晒すもの、それらの割合が自然と変わってきます。
WordPressの例であれば、データベースのパスワードなど、サイトごとに隠さなければならない情報がありますので、WordPressで公開されているソースコードの中には、もちろん「隠さなければならない情報」は一切含まれていません。サイトのサーバにインストールした後、隠さなければならない情報を追記することになります。そして、それを隠す責務は、WordPressの作者側ではなく、そのサイトの運営者側です。wp-config.phpファイルが閲覧可能であれば、もう何でもありの危険きわまりない状況になります。
WordPressのデータベースの構造は、WordPressのソースコードに含まれるものですので、公開情報です。世界中の誰でもその構造を知ることができます。ではそれが直ちに危険かというと、構造を知っても、データベースに直接アクセスできなければ、直ちに危険な状況ではありません。サイトの運営者側が適切にサイトを守ることができれば良く、それよりも構造を公開して皆で共有することで、WordPressの開発スピードを高められます。
ただし、世界中にいるクラッカーは日々様々なソフトウェアの脆弱性を突いて侵入を試みています。そういった人達にできるだけ情報を渡さない、という考え方もあります。この場合、WordPressを使ってることがバレれば、データベースの構造などが簡単にわかるため、侵入されるリスク、侵入された後の被害が拡大するリスクは高まります。この考え方であれば、WordPressを選択しない、またはWordPressを利用していることを完全に隠す、といった対処が必要になります。
まとめると、
- 守りたいこと/ものは何か?(守れなかった場合の被害を検討)
- それを守るためには何が必要か?(隠すための手段を検討)
- 公開したときのメリットは何か?(共同開発が必要、第3者によるレビュー/改善を受けたい、など)
といった要因がそれぞれどの程度あるのかによって、答えは変わってきます。
生徒の教育のため Github で サイトのレポジトリを公開し、サーバーサイドのソースコードが生徒や第三者に見えるようにしたいです。
お持ちのそのリポジトリにあるソースコードについて、上記3つのポイントをそれぞれ検討し、危険性を洗い出してみてはいかがでしょうか?