オイラの英語知識からいうと virtual という単語は
- 実質的に
- 事実上の
としか翻訳できないのですが、
コの業界ではなぜ「仮想」なる日本語が充てられているのでしょうか。
日本語で「仮想」だと
- 存在しない
- にせもの
のようにイメージされて、英語のニュアンスとまるっきり逆な気がします。
オイラの英語知識からいうと virtual という単語は
- 実質的に
- 事実上の
としか翻訳できないのですが、
コの業界ではなぜ「仮想」なる日本語が充てられているのでしょうか。
日本語で「仮想」だと
- 存在しない
- にせもの
のようにイメージされて、英語のニュアンスとまるっきり逆な気がします。
日経ビジネスオンラインの「言葉のインフレ」は経済のそれよりはるかに恐ろしいという記事の3ページ目に次のような記述があります(要会員登録の記事なので要約のみ示します)
このエピソードの初出は日経コンピュータ2010年3月31日号のようです。
英語版のWiktionaryにはこのように記述されています。
virtual
1.In effect or essence, if not in fact or reality; imitated, simulated.
In fact a defeat on the battlefield, Tet was a virtual victory for the North, owing to its effect on public opinion.
Virtual addressing allows applications to believe that there is much more physical memory than actually exists.
英語でのvirtualには、記載されているように"if not in fact or reality"かつ"imitated, simulated"つまり『「事実」や「現実」ではないとしても』『模倣や模擬』のニュアンスが多分に含まれているようです。「実質的に」「事実上の」などの辞書上の訳語だけを見ずに、英英辞書などを引いて、その用例等を参考にされれば、「まるっきり逆」ではないことがわかるとおもいます。
おっしゃるようにvirtualは「ほとんど〇〇と同じ(だけど同じじゃない」という文脈で使うのが普通ですね。virtually non existentと言えば「実質的に存在しない」というわけですね。
hypothetical enemy (仮説上の敵)は日本語に直すと仮想敵国で、仮に想定した敵国だとすれば、こちらはまだ意味が通ります。間違っても事実上の敵ではないわけです(いや、そう解釈するともっと面白いかもしれない。笑)このことからもvirtualを仮想と訳したのは誤りでしょう。
なぜこのような訳語が採用されたのかはわかりませんが、おそらく国語学者でもないエンジニアがメインフレームのマニュアルを訳した時に適当に当てただけの気がします!!
「数値解析入門第2版」(サイエンス社、2003年)では微分方程式の数値解法であるvirtual point method を仮想分点法と訳しています。「仮想」という訳語は数値解析の分野でも使われているようです。