とりあえず、「Objファイル」というのはWavefront OBJ形式のことで、「tiny_obj_loader」「stb_image」というのは以下の外部ライブラリを使っているものと仮定します。
また、ロードにはtinyobj::LoadObj()
関数を使っているものと仮定します。
tinyobj::LoadObj()
関数にはconst char *filename
を受け取るオーバーロードのほか、std::istream *inStream
を受け取るオーバーロードがあるようなので、まず任意のファイルまたはリソースからWavefront OBJ形式のテキストデータをプレーンなASCII文字列(std::string
)としてメモリに読み込み、std::istringstream
オブジェクトを構築すれば、std::istream
として渡すことができ、メモリ上の文字列ストリームからパースすることができるはずです。
(例えばZIPファイルのエントリとして圧縮・登録されているテキストファイルの1つをzlibでメモリに読み込んでstd::string
の形に展開し、std::istringstream
をかませてパースする、といったこともできます)
ちなみに、このtinyobjloaderライブラリはC++のくせになぜか中途半端にC関数のようなインターフェイスを持つひどい設計になっていて、APIとして全然洗練されていないのでお勧めできません。Wavefront OBJ自体、データ交換を目的とした古いフォーマットであり、本格的なゲーム開発には向いていないので、将来的には別のバイナリフォーマットを使ったほうがよいと思います。
画像の読み込みのほうはstbi_load_from_memory()
を使えば、同様にメモリ上に読み込んだファイル (in-memory file) からロードできるのでは?
stbi_uc
はunsigned char
のエイリアスなので、まず画像ファイルのバイナリデータを丸ごとメモリに読み込んでstd::vector<unsigned char>
の形で保持しておき、入力としてstd::vector::data()
とstd::vector::size()
を渡すだけです。
Win32リソースを使う場合は後述の方法で埋め込んだ画像ファイルを探索し、LoadResource()
, LockResource()
, SizeofResource()
を使います。
Win32リソースにはユーザー定義のデータを埋め込むことができます。
例えばPNG形式の場合、以下のようなカスタムリソースとして埋め込むことができます。MYRESTYPE_PNG
のように、カスタムリソース種別typeID
は標準の予約済みリソース種別と衝突しない限り自由に命名でき、これをFindResource()
の第3引数lpType
に文字列として指定します。
// Resource.h
#define ID_MY_PNG_IMAGE1 1000
// 何らかのリソーススクリプト。
ID_MY_PNG_IMAGE1 MYRESTYPE_PNG "res\\image1.png"
ユーザー定義のリソースは、プロジェクトのメインリソーススクリプト<ProjectName>.rc
に直接記述するのではなく、通例res\<ProjectName>.rc2
のような専用リソーススクリプトに分けて記述し、<ProjectName>.rc
からインクルードします。
(例えばMFCプロジェクトウィザードはデフォルトでres\<ProjectName>.rc2
を生成します)
EXE本体ではなく、リソース専用のDLLに分離することもあります。
ただし、データ保護(抽出防止)や省メモリの観点から、ゲーム用のメディアファイルのようなアセットはEXE/DLLのWin32リソースとしてそのまま埋め込むようなことはせず、難読化(暗号化)したいくつかのアーカイブファイルにまとめておき、特定のシーンで必要になったファイルのみアーカイブファイルからメモリに読み込んで利用するほうがよいです。多くの商用ゲームはそういった工夫をしています。
VC++プロジェクトでのデータ埋め込み
があって、リソースには既定のクラスだけでなく、ユーザ定義の任意のデータも追加できます。
とあるようですが。あとここのサイトでも類似の記事があります。Visual StudioのC++開発において、バイナリファイルをプログラムに埋め込んで参照するにはどのような方法がありますでしょうか。