public class Greeter {
public static String greet(final String name) {
final String message = String.format("こんにちは、%s!", name);
return message;
}
public static void main(final String[] args) {
final String message = greet("世界");
System.out.println(message);
// String.format() が確保した領域は(そのうち)GCが回収する
}
}
上のJavaコードのうち、greet
メソッドをCライブラリに置き換えようと考えています。
上記のコードはJavaとしては合法だと考えていますが、同じようなノリのC実装はメモリリークするので問題があるかと思います。
char* greet(char *name) {
char *message = calloc(256, sizeof(char));
sprintf(message, "こんにちは、%s!", name);
return message;
}
int main(int argc, char **argv) {
char *message = greet("世界");
printf("%s\n", message);
return 0;
// calloc() が確保した領域が解放されないまま
}
そこで、後述のような、動的に確保した領域の解放方法(及び、対になる確保方法)を考えていました。
が、そもそもこのような要求は別に特殊というわけでも無いと思うので、イディオム、パターン、ライブラリ実装などで一般化されているのでは、という思いも浮かんできました。
この件に関して、参考になりそうな(検索キーワードになりそうな)名前や実装などはあるでしょうか。
以下、自分が検討していた対応方法です。
1.
解放処理を提供するパターン。
実際には動的確保する関数としない関数が混在することになると思うので、呼び忘れとかが発生しそう。
void greet_retval_dtor(char *retval) {
free(retval);
}
// 呼び出し元
char *message2 = greet("デストラクタ");
printf("%s\n", message2);
greet_retval_dtor(message2);
2.
呼び出し元が確保した領域に呼び出し先が書き込むパターン。
あらかじめ必要なサイズの当たりがつくような処理でないと利用できない
(あるいは、先に必要なサイズを教えてもらえるような関数が別途必要)。
void greet_prepared_buffer(char *name, char *message) {
sprintf(message, "こんにちは、%s!", name);
}
// 呼び出し元
char *buff = calloc(256, sizeof(char));
greet_prepared_buffer("バッファ", buff);
printf("%s\n", buff);
free(buff);
3.
コールバックで呼び出し元に返すパターン。
関数のスコープと確保した領域のライフタイムが一致するという点では自然な気が。
void greet_callback(char *name, void (*cb)(char *message)) {
char *message = calloc(256, sizeof(char));
sprintf(message, "こんにちは、%s!", name);
cb(message);
free(message);
}
// 呼び出し元
void callback(char *message) {
printf("%s\n", message);
}
greet_callback("コールバック", callback);
(追記)
実際には、呼び出し元はJava(Project Panama利用)、呼び出し先CライブラリはRustで実装しようと考えています。
ただ、今回の件は実装言語に依存する話ではないのでは、と考えています(ので、C言語以外だと解法がある、というのであればそれも知りたいです)。
以下は前述のパターン2(呼び出し元が領域確保するパターン)を実装した…つもりのコードです。
呼び出し元コード(Java, 14-panama):
public static void main(final String[] args) {
final Scope scope = greeter_lib.scope();
final Pointer<Byte> name = scope.allocateCString("錆びたお茶");
final long size = 256;
final Pointer<Byte> message = scope.allocateArray(NativeTypes.UINT8, size).elementPointer();
greeter_lib.greet(name, message, size);
final String retval = Pointer.toString(message);
System.out.println(retval);
}
呼び出し先コード(Rust, 1.41.0):
#[no_mangle]
pub unsafe extern "C" fn greet(name: *const c_char, message: *mut c_char, count: size_t) {
let name = CStr::from_ptr(name);
let name = name.to_str().unwrap();
let text = format!("こんにちは、{}!", name);
let text = CString::new(text).unwrap();
message.copy_from(text.as_ptr(), count);
}
greet
メソッドをCライブラリに置き換えようと考えています」とのことですが、Javaの処理の一部をJNIで実装する、という意味でしょうか? そうであれば、C++言語の考え方も示せると思います。Scope
?)が、このような理解で合っているでしょうか。(あるいは、呼び出し先でmemory poolを利用する方式での実現可能性も示唆されているでしょうか)