書かれているとおり friend
関数は「非メンバなのに private
protected
なメンバを直接使うことを認める」ためのものです。適切に OOAD (Object-Oriented Analysis and Design) ができていればまず使うことは無い / 使う必要が無いものです。
使うとしたら「非メンバ関数」として実装するしか手が無い関数を使う場合とか。
自作複素数クラス class mycomplex
を実装して double + mycomplex
ができるような演算子を実装したくなったら、左辺が組み込み型なので非メンバ関数な operator+
が必要となり
class mycomplex {
double re; // real part
double im; // imaginary part
public:
mycomplex(double r0=0.0, double i0=0.0) : re(r0), im(i0) { }
mycomplex(const mycomplex& rh) : re(rh.re), im(rh.im) { }
// double + mycomplex を行う非メンバ関数 (static メンバでもない)
friend mycomplex operator+(double lh, const mycomplex& rh) {
return mycomplex(lh+rh.re, rh.im);
}
// 普通に (non-static な) メンバ関数 mycomplex+mycomplex
mycomplex operator+(const mycomplex& rh) const {
return mycomplex(this->re+rh.re, this->im+rh.im);
}
};
こんな形で「非メンバな関数」の中で private
なメンバを直に使うことができます(この mycomplex
中で re
や im
が private
としていることが適切かどうかはまた別問題なのでいまはおいておく)
# そうしている意図は、将来、内部実装を極座標表示にするかもってことなわけだけど
operator
以外であっても、フレームワークやライブラリの実装上の都合で非メンバ関数を使わざるを得ないような場合に friend
関数を使うことがあるでしょう。
class メンバー関数をコールバックとして渡したい
組み込み系だと、開発ツールが割り込みハンドラを c 関数として自動生成してしまったりするので friend
関数の出番がままあったりします。
friend
クラスのほうは「使ったら設計ないしは実装に失敗している」レベルで使い道が無くて、オイラも実用したことはありません。
friend
は class
が隠している内面をもろにさらけ出す(オイラは「臓物を晒す」と称しています)ので、必要の無いところで使うことは禁じ手です。逆に、必要ならためらい無く使いましょう。そういう機能があればより性能が出せるという場面では、あぶない機能でも使えるというのが c や c++ の言語設計方針なので、取捨選択するのはユーザの責任です。
{}
をクリックするときれいにハイライトされますので参考にしてください。「ここにコードを入力」は追記が必要ならそのコードを、不要であれば削除してもらうと誤解が減ると思います。