- fuga.warからhoge.warの中にあるX-impl.jarを参照する
は不可能なので
- X-impl.jarを双方のwarから取り出して独立させ、双方のwarから参照する
を選択することになります。
ただしこの際X-impl.jar
だけを独立させると、WAR
とX-impl.jar
の依存関係が循環してしまう(WAR
ではインジェクション対象としてX-impl.jar
が必要であるし、他方、X-impl.jar
は実装対象としているインタフェースX-api.jar
が必要である)のでX-api.jar
も分離させます。
手順を大まかに並べると次のようになります:
X-api.jar
, X-impl.jar
をWildFlyにモジュールとして登録する。
WAR
から当モジュールを参照できるように設定する。
この点に関わる公式ドキュメントとしては
が挙げられます。また、1.のモジュール登録の具体的な手順については以下に解説があります。
以下、質問文に沿った形でデモコードを作成しました(※名称等、質問文と異なる部分はあります)ので、それを元に説明します。
実行環境はWildFly11/Java8です。
モジュールを登録する
hoge.war
及びfuga.war
双方から参照するJAR
であるhello-api-0.0.1.jar
, hello-api-impl-0.0.1.jar
2ファイルを $JBOSS_HOME/modules/system/layers/base/com/github/yukihane/wildfly-sharing-jar/main
にコピーします。
続いて同ディレクトリに module.xml
を作成します。
登録したモジュールを参照できるようにする
大きく2種類の方法があります。WildFlyにグローバルな設定を行ってしまう方法と、各WAR
で個別に設定する方法です。要件に応じてどちらか一方を選択します。
グローバル設定
上記で登録したモジュールをグローバルモジュールとして設定します。
standalone/configuration/standalone.xml
(※standalone.sh
で実行する場合)を開き、
<subsystem xmlns="urn:jboss:domain:ee:4.0">
を見つけ、そこへ次の行を追記します。
<global-modules>
<module name="com.github.yukihane.wildfly-sharing-jar" slot="main" />
</global-modules>
(変更差分:res/standalone.xml.diff)
WAR
個別設定
WAR
内で設定する場合、設定方法は2種類あります。 jboss-deployment-structure.xml
ファイルに記述する方法と、MANIFEST.MF
ファイルに記述する方法です。いずれか一方を選択します。
jboss-deployment-structure.xml
方式
hoge-war
, fuga-war
双方の WEB-INF
ディレクトリに jboss-deployment-structure.xml
を(無ければ)作成し、当モジュールの依存関係を記述します。
<jboss-deployment-structure>
<deployment>
<dependencies>
<module name="com.github.yukihane.wildfly-sharing-jar" />
</dependencies>
</deployment>
</jboss-deployment-structure>
MANIFEST.MF
方式
WAR
のMETA-INF/MANIFEST.MF
ファイルにDependencies
セクションを追加しモジュール名を記載します。
Dependencies: com.github.yukihane.wildfly-sharing-jar
(※サンプルコードではMavenのプラグインで実行しているので、確認する場合は成果物として生成されたhoge.war
等を解凍して見てみてください。)