これはdataにtest.jsonが読み込めてないのか、もしくはそもそもPathの指定が間違ってるのかと思うのですが、どう訂正したらうまくいくのでしょうか?
訂正箇所を指摘してもらうより、訂正箇所を自力で探し出す方法を尋ねたほうが、汎用性、応用性で優れています。ここでは、その方法を考えてみましょう。
プログラムでは、成功しないかもしれない処理、期待しない結果になる可能性のある処理を、条件文を使って、分岐する方法がよく使われます。今回のプログラムでも、多用されています。このうまくいっていない方の分岐に、print()
関数で、その旨を出力するようにすると、どこで期待しない結果になったのか、知ることができます。
また、例外処理(do - try - catch
ブロック)で、エラーメッセージをprint()
関数で出力するようにすると、どんな例外が、どこで起きたのか、知ることができます。NSError
オブジェクトは、localizedDescription
プロパティで、エラーを人間が読める文字列にしてくれます。
以上を踏まえて、さらに二つの方針を加えて、コードを書いてみました。
二つの方針のひとつは、レガシーな項目は、できるだけ使わず、新しいものに置き換えることです。NSData
クラスは、Objective-Cのコードとブリッジするために使われるもので、Data
構造体に置き換えます。
もうひとつは、「!
」を使わないということです。この記号は、「変数や式の評価の値がnil
だったら、実行をクラッシュして教えてね」という意味を持っていて、開発中のデバッグでは、有効ですが、完成したプログラムには、できるだけなくしておきたいものです。プログラムの実行がクラッシュして、fatal error: unexpectedly found nil while unwrapping an Optional value
というエラーメッセージがコンソールに出たなら、「!
」のある箇所を探すのが、有効なデバッグの方法です。プログラムが完成に近づいたら、「!
」は、Optional Binding文(if let 〜
)に置き換えるようにしましょう。
Xcodeで、macOSの新規アプリケーションを作成し、ViewController.swift
ファイルに、以下のコードを記述します。Storyboardにおいて、ボタンをひとつ貼り付け、アクションメソッドgetJSON(_:)
と接続します。
import Cocoa
class ViewController: NSViewController {
let fileName = "test.json"
let urlString = "http://....../test.json" // JSONファイルのURL
override func viewDidLoad() {
super.viewDidLoad()
if let url = URL(string: urlString) {
if let desktopURL = FileManager.default.urls(for: .desktopDirectory, in: .userDomainMask).first {
do {
let data = try Data(contentsOf: url)
let fileURL = desktopURL.appendingPathComponent(fileName)
try data.write(to: fileURL)
} catch let error {
print("Read or Write Error: \(error.localizedDescription)")
}
} else {
print("ローカルディスク上のパス取得失敗")
}
} else {
print("不正なURL")
}
}
@IBAction func getJSON(_ sender: Any) {
if let url = FileManager.default.urls(for: .desktopDirectory, in: .userDomainMask).first {
let fileURL = url.appendingPathComponent(fileName)
do {
if FileManager.default.fileExists(atPath: fileURL.path) {
let data = try Data(contentsOf: fileURL)
if let dataArray = try JSONSerialization.jsonObject(with: data) as? [[String : Any]] {
for element in dataArray {
print("\(element)")
}
} else {
print("JSONファイル作成失敗")
}
} else {
print("ファイル保存失敗")
}
} catch let error {
print("Error \(error.localizedDescription)")
}
} else {
print("ローカルディスク上のパス取得失敗")
}
}
}
JSON書類ファイルを、「Library/cachesに保存」する意味がわからない(危険な香りがする)ので、上のコードでは、デスクトップに保存するようにしました。また、各種ディレクトリパスの取得は、FileManager
クラスを使うようにしてください。パスを直書きしてもいいのですが、そのほうが移植性が高まります。
ちなみに、~/Library/Cachesディレクトリの取得は、こう書きます。
FileManager.default.urls(for: .cachesDirectory, in: .userDomainMask).first
このメソッドは配列を返すので、最初の要素をfirst
で取り出します。また、ローカルディスク上のファイルにアクセスするときは、ファイルの有無を事前に確認するようにしましょう。これもFileManager
クラスを使います。