[2016-02-18 01:57注記: 以下の内容は規格書の読み間違いの可能性が高いです。コメントも参照して下さい]
A::Run
中で、 func<B>()
が問題なく呼び出せることはC++規格の範囲内であると思います。
まず、ISO/IEC 14882:2011 14.6.4.1 Point of instantiation 第6段落にはこうあります。
The instantiation context of an expression that depends on the template arguments is the set of declarations with external linkage declared prior to the point of instantiation of the template specialization in the same translation unit.
この段落では、テンプレート引数に依存する式 (今回の質問では cout << T::GetClassName() << endl;
) のインスタンス化の際、インスタンス化された地点 (the point of instantiation -- 今回の質問では func<B>()
を呼び出した箇所) 以前に宣言されたものが使えます (かなり端折り&意訳しているので、正確なところは引用した原文をどうぞ)。
これだけでは、func<B>()
が呼び出された箇所の前には B::GetClassName
の宣言がないため、むしろ不適合に読めますが、続く第7段落にはこう書かれています。
A specialization for a function template, a member function template, or of a member function or static data member of a class template may have multiple points of instantiations within a translation unit, and in addition to the points of instantiation described above, for any such specialization that has a point of instantiation within the translation unit, the end of the translation unit is also considered a point of instantiation.
キモとなる部分を強調しましたが、こちらもざっくり説明すると、関数テンプレートなどの特殊化 (specialization
) においては、翻訳単位の終端部分をインスタンス化された地点とみなすとあります。第6段落と合わせると、翻訳単位全体の宣言がインスタンス化する際に使えることになります。
そのため、テキストの位置的には、func<B>()
の呼び出しが B::GetClassName
の宣言の前にありますが、特殊化の際には、 B::GetClassName
が含まれます。