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int型とlong型で同じ数値を比較すると == はtrueを返しますが、Equalsはfalseを返すことがあります。

Console.WriteLine("1 == 1L: {0}", 1 == 1L);
Console.WriteLine("1L == 1: {0}", 1L == 1);
Console.WriteLine("1.Equals(1L): {0}", 1.Equals(1L));
Console.WriteLine("1L.Equals(1): {0}", 1L.Equals(1));

// 出力:
//   1 == 1L: True
//   1L == 1: True
//   1.Equals(1L): False
//   1L.Equals(1): True

値型では基本的に == と Equals は同じだと思っていたのですが、違うのでしょうか?

また、もしEqualsだけ型を厳密に見ていると仮定すると、trueを返すこともあるのが謎です。

2 件の回答 2

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Object.Equals(object)は型が同じであればoperator ==(T, T)の結果を、型が異なればfalseを返すのが標準的な動作です。
しかし質問文の例ではオーバーロードによりintからlongへの暗黙変換が発生しており、コード上の型が一致していません。

最初の二つの式ですが、C#の数値比較はintuintlongulong同士の比較しか定義されていないため、operator ==(long, long)が選択されます。
また最後についてもIEquatable<T>の実装であるInt64.Equals(long)が存在するため、こちらも暗黙変換が発生します。
これらの結果がFalseでないのはそのためです。

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  • 3
    つまりInt64.Equals(Int64)の存在しなかった .NET 1.x系では1L.Equals(1)Falseとなりそうですね。(試してませんがたぶん)
    – sayuri
    2016年1月16日 12:39
  • 3
    @sayuri 旧modern.IEで配布されてるXPの仮想マシンで試したら、その通りになりました(こういう使い方していいのか怪しいですが) i.stack.imgur.com/37pdN.png
    – unarist
    2016年1月16日 15:28
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等値演算子の==に関しては、C# の言語仕様 7.3.6.2 二項数値上位変換で規定されている通り、intlongへ暗黙の型変換されるためにtrueとなります。

他方、Equalsメソッドの呼び出しに関しては、pgrhoさんのご指摘の通りですが、多少補足しますと、long.Equals(long obj)と、long.Equals(object obj)のどちらがより適切であるかは、C#の言語仕様 7.5.3 オーバーロードの解決法によって、より適切な関数メンバが解決されていくことになります。

この際、元のintは、longへもobjectへも暗黙の型変換が許容されていますので、どちらがより適切なのかと言うことになりますが、これは7.5.3.5 より適切な変換対象より

異なる 2 つの型 T1 と T2 がある場合、次の条件が 1 つでも満たされると、T1 の方が T2 より適切な変換対象です。
• T1 から T2 への暗黙の型変換が存在し、T2 から T1 への暗黙の型変換が存在しない
以下略

とのことから、longからobjectへの暗黙の型変換が存在し、逆にobjectからlongへの暗黙の型変換が存在しないことから、最終的にlong.Equals(long obj)がより適切な関数メンバと解釈され、適用されるので、

Console.WriteLine("1L.Equals(1): {0}", 1L.Equals((long)1));

明示的に書くのであれば、このような関数呼び出しなり、引数のi 及び lが同値で有れば、trueに成るのだと思います。

他方、int.Equalsの場合は、long型からint型への暗黙の型変換は存在せず、逆にlong型からobject型への暗黙の型変換は存在するので、結果的にint.Equals(object obj)が呼ばれFalseに成るのだと思います。

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