エンジンは uplatex を使ってそのあと dvipdfmx を使っていると想定します。警告の内容は「DVI がドライバ依存で dvipdfmx 専用になっているので注意せよ」ということですが,結論としては「気にしなくて良い」と思います。警告を消す手段はないので,諦める・あるいは・xy パッケージ著者に警告を消す手段を要求する(直接メール)等になります。
- uplatex + dvipdfmx という組み合わせを使う限り,問題は起きません。
- もしも途中の DVI を dviout (Windows) あるいは xdvi (Unix) などのビューアで見ようとすると,あるいは dvips で PostScript に変換しようとすると,不都合が起きるでしょう。しかし,dvipdfmx で PDF にしてしまえば関係ありません。
昔は DVI といえば DeVice-Independent すなわちドライバ非依存でしたが,下記の理由により最近は形骸化してしまっています:というのも,ユーザの皆さんが各自で決めた一定の手順(今回ならば uplatex + dvipdfmx)で TeX → PDF に変換することが多くなったためです。
「xyと日本語環境の何かの相性が悪い」というよりは「documentclass に dvipdfmx オプションをつけると xy パッケージが警告を出す」ということのようです。例えば
\documentclass{article}
では警告が出ず
\documentclass[dvipdfmx]{article}
では警告が出ます。逆に
\documentclass[uplatex]{jsarticle}
でも警告は出ません。
なぜ xy パッケージが警告を出すのかというと,xy パッケージが「dvipdfmx オプションを指定すると,dvipdfmx にしか解釈できない調整コード(中身の意味は難しいので割愛するが,例えば PDF に変換した時の線の太さなどの指示)を DVI ファイルに出力する」といういわゆるドライバ依存の挙動をするからです。graphicx, color, hyperref といった有名かつよく使われるパッケージが,ドライバ依存の代表格です。さらに言えば,今の時代(2020年以降)は「何もパッケージを読み込まない普通の LaTeX」すらドライバ依存性があります。そのようなそんな 2020 年代に xy パッケージ(最終更新は 2013 年なので割と古い)だけが警告を出すのはうるさく見えるかもしれませんが,この場合は気,気にすることはしないのが得策でしょう。
参考:Online.tex 2020 講演資料「最近の LaTeX は○○」