整数リテラルの型が変わることによる影響はいくつかあります。分かりやすいのは、リテラル同士を演算してオーバーフローする場合でしょう。
100000000
(1 億)は 32bit signed int の範囲ですが、その 2 乗は 32bit signed int の範囲を超え、64bit signed int の範囲に入ります。このため 32bit signed int として 2 乗を行うと、結果も 32bit signed int として格納され、オーバーフローします。
#include <stdio.h>
int main(void)
{
printf("%ld\n", (long)(100000000 * 100000000)); /* オーバーフローします */
printf("%ld\n", (long)(100000000L * 100000000L)); /* 10000000000000000 が出力されます */
return 0;
}
他にも、上のプログラムでも不自然に long にキャストしている理由でもありますが、printf("%ld", 1);
の挙動は未定義な一方 printf("%ld", 1L);
は正しく 1 を出力するという違いも生まれています。
また、L
だけだと使いどころが分かりづらいですが、整数リテラルの末尾記号には他にも UL
などがあり、それらと組み合わせると他にも使いどころが生まれてきます。詳しくは what is the reason for explicitly declaring L or UL for long values をご覧ください。