C#のコードはRFC2898RFC2898に記載されているPBKDF2(PKCS #5 v2.0)に基づきkeyとivを作成し、AES-256-CBCで暗号化/復号化しているようです。PHP側でもPBKDF2に基づきkeyとivを作成すれば、同様に暗号化/復号化が可能になるはずです。PBKDF2用の関数hash_pbkdf2が用意されていますので、こちらの関数を使用することで、同様のkeyとivを作成することができます。使用方法等はリンク先のPHPマニュアル等を確認してください。
異なるコード間でやり取りする場合の注意事項としては、同じPBKDF2に基づいていても、暗号アルゴリズム、ハッシュアルゴリズム、反復回数が同じでなければなりません。C#側のAesManagedはASEですが、鍵長を128,192,256で選択でき、指定しなかった場合にどれになるかはわかりませんでした。サイズを固定するか、あらかじめ確認しておいてください。C#側のRfc2898DeriveBytesが使用するハッシュアルゴリズムはHMAC SHA1固定のようですが、PHP側のhash_pbkdf2
は複数選択できることに注意してください。なお、現在のコードでは、rfc2898DeriveBytes.IterationCount = 1;
から反復回数はたった1回です。
現在のコードにはセキュリティ上よろしくない点が二つあります(何故ダメなのかの理由は長くなるので、省略します)。これらを解決しておくことを推奨します。
- saltが固定である。
saltを固定化してはいけません。saltは暗号論的に安全な乱数生成機(ハードウェアエントロピーによる乱数や暗号論的擬似乱数生成機等)を使用して生成してください。暗号論的に安全な乱数生成機とは、C#であればRNGCryptoServiceProvider、PHPであればrandom_byets等です。
暗号データを保存する際は、saltと暗号化されたデータをセットで保存しておくようにします。秘密にしておく必要があるのは、パスワードのみです。 - 反復回数が1回である。
PBKDF2が書かれたRFC2898では反復回数を指定していませんが、1000回以上を推奨しています。1000回以上に増やしてください。なお、C#のRfc2898DeriveBytesのデフォルトは1000回です。