メモリは1バイト単位で管理すると管理コストが高くなりすぎます。そのため最低限sizeof(void*)
よりも大きな単位で管理されます。
ある程度のブロック単位で管理されているため、範囲を超えて読み書きできることがあります。
バグの原因になったりしそう
そのとおり通りであり、そのC言語の弱点を補うためにもC++言語ではstd::array
やstd::vector
や、std::string
などのクラスが用意されています。std::vector
これらのクラスはいずれも範囲チェックを行わないC言語互換のoperator[]
だけでなく、範囲チェックを行うat()
が用意されています。後者は範囲外にアクセスするとstd::out_of_range
例外が発生します。
metropolisさんからgccの例が挙げられているので、MicrosoftのVisual C++についても。
Viusal C++コンパイラにはC/C++ Code Analysis機能が組み込まれています。これを使用すると質問文のコードはコンパイル時に
source.cpp(14): warning C6200: Index '4' is out of valid index range '0' to '3' for non-stack buffer 'p'.
source.cpp(15): warning C6200: Index '5' is out of valid index range '0' to '3' for non-stack buffer 'p'.
source.cpp(9): warning C6011: Dereferencing NULL pointer 'p'.
source.cpp(14): warning C6386: Buffer overrun while writing to 'p': the writable size is '4' bytes, but '5' bytes might be written.
という具合にC6200警告とC6386警告が出ます。なお9行目のC6011警告はmalloc
がメモリ確保に失敗しNULL
を返す可能性を指摘するものです。
またDebugビルドではmalloc
は_malloc_dbg
に切り替えられます。_malloc_dbg
は確保したメモリを0xCD
で初期化してから返すため、
cout << p << endl; // abcdef
この行で正しく出力できずに止まります。(文字列終端を表す\0
が見つからないため)
もちろんそれだけでなく、_GLIBCXX_DEBUG
とに相当する機能もありfree
の際に範囲外アクセスを検出しエラー報告します。