適切なスコープだけ編集
適切なスコープだけ編集したいのであれば、narrowing系コマンドを駆使すればいいと思います。
まず最初にnarrowing系コマンドでパニックにならないように、解除方法である C-x n w
(M-x widen
)を覚えてください。このコマンドが最重要です。
narrowingとはバッファの特定領域だけを編集範囲にするものです。表示もその特定範囲だけになります。基本はリージョンを選択してC-x n n
(M-x narrow-to-region
)です。そうすると選択範囲以外は消えてしまいます。表示上消えただけです。narrowingを解除すると現れるので大丈夫です。
このnarrowingの状態ですと表示されている領域しか編集対象になりません。置換なんかもこの範囲内です。編集を終了したら前述のC-x n w
で元に戻してください。
ちなみに初めてnarrowing系コマンドを使うときは「本当に大丈夫か?」みたいなことをEmacsが聞いて来ます。これはこのコマンドを知らないとパニックを起こすためです。narrowing系コマンドは他に、
narrow-to-defun
(カーソルのある位置の関数・メソッド定義)narrow-to-sexp
(カーソルのあるブロック)narrow-to-page
(^L
で挟まれた領域。elispはこれでページを分けたりしているようです)
があります。カーソルのある位置のクラス定義全体を編集範囲にしたいときは
C-M-u
を何度か押してクラス定義の先頭にカーソルを持って行くC-M-xspace narrow-toC-sexpx n n
でnarrowing- 心ゆくまで編集し
C-x n w
でnarrowing解除
という手順になります。C-M-u
(M-x backward-up-list
)はブロックを遡る (押すたびに一つ上のレベルのブロックにカーソルが移動する) という、C-M-space
(M-x mark-sexp
) はブロックをマークするというもので覚えておくと便利かと思います。
ただし、narrow-to-defun
やnarrow-tomark-sexp
やbackward-up-list
はメジャーモードが対応していないと使えないかもしれません。lisp-modeとruby-modeで使っていますのでこれらモードでは動きます。
もうひとつ、リファクタリングにはmultiple-cursorsパッケージが有用かと思います。
メソッドの切り出し
これはC-M-k
(M-x kill-sexp
)と前述のC-M-u
を駆使しましょう。C-M-u
でメソッドの先頭に持って行って、C-M-k
です。
あるいはM-x mark-defun
の後にC-w
でもよいかと思います。