再検討:
その後、高速化の記事など眺めながら考えていて、「多重for文を書かない」というか、それに類似するであろう「ループを書かない」前提条件を思いっきり無視し、かつ全然簡潔では無い内容ですが、頭の体操みたいなものとして、高速化は出来るだろう処理を作ってみました。
こんな考え方にしています。
・データはID
を1番目、start_date
を2番目のキーとしてソート済みであることを前提にする
・1つのDataFrameの中では重複は無いものとする
・メインの処理では pandas は使わず、Python基本のリストを使う
・ID
やstart_date
, end_date
の範囲をチェックし、不要な範囲での重複検出ループを回さない
チェック前のデータを(csv等で?)作成する時点であらかじめソートしておくくらいは前提として許されるのでは?
一応以下の2行を呼び出せば出来ますが、それはそれで時間とメモリがかかるので。
プロファイラではかると、約 4.5ms, 0.406MiB 程度かかっていました。
df1 = df1.sort_values(['ID','start_date'])
df2 = df2.sort_values(['ID','start_date'])
そして以下が重複検出処理です。以下の全部で、約 1ms弱, 0.078MiB 程度かかっていました。
# pandas DataFrame から Python基本のリストへ
#
df1limit = len(df1)
df2limit = len(df2)
df1ID = df1['ID'].tolist()
df1start = df1['start_date'].tolist()
df1end = df1['end_date'].tolist()
df2ID = df2['ID'].tolist()
df2start = df2['start_date'].tolist()
df2end = df2['end_date'].tolist()
# メインの重複検出処理
#
result_list = []
df1index = 0
df2index = 0
while df1index < df1limit:
CurrentID = df1ID[df1index]
# df1 と df2 で比較開始時の'ID'が同じになるようにリストのインデックスを調整
#
df2IDFounded = False
while df2index < df2limit:
if CurrentID > df2ID[df2index]: # df2 の方の'ID'が小さいので読み飛ばし
df2index += 1
else:
if CurrentID == df2ID[df2index]:
df2IDFounded = True
break
else:
break # df2 が終わったので検出処理終了
if not df2IDFounded: # df1 と同じ'ID'が df2 に無ければ、df1 の'ID'を読み飛ばす
while df1index < df1limit and CurrentID == df1ID[df1index]:
df1index += 1
continue
# 日付比較して重複検出する処理
#
df2compareTop = df2index # df2 の同じ'ID'の先頭インデックスをセーブ
DuplicateFounded = False # 重複検出フラグクリア
while df1index < df1limit and CurrentID == df1ID[df1index]: # df1 の'ID'が同じ間はループ
StartDate1 = df1start[df1index] # df1 の比較用日付をリストから取得(少しでも時間短縮)
EndDate1 = df1end[df1index] # 〃
df2index = df2compareTop # df2 の同じ'ID'の先頭インデックスをリストア
while df2index < df2limit and CurrentID == df2ID[df2index]: # df2 の'ID'が同じ間はループ
if df2start[df2index] <= EndDate1 and df2end[df2index] >= StartDate1: # 重複検出の比較処理
result_list.append(CurrentID) # 重複検出したのでリストへ追加
DuplicateFounded = True # 重複検出フラグ設定してループ終了
break
elif df2start[df2index] > EndDate1: # これ以後は重複しないのでループ終了
break
else:
df2index += 1 # df2 の同じ'ID'の次のデータへ
#
# df2 との重複検出処理ループの底
df1index += 1
if DuplicateFounded: # 重複検出したのでループ終了して次の'ID'へ
break
#
# df1 の同一'ID'での重複検出処理ループの底
while df1index < df1limit and CurrentID == df1ID[df1index]: # df1 の次の'ID'のまで読み飛ばし
df1index += 1
while df2index < df2limit and CurrentID == df2ID[df2index]: # df2 の次の'ID'のまで読み飛ばし
df2index += 1
# 全部の重複検出処理ループの底
print(result_list) # 重複'ID'リスト表示
コメントで聞いておいて答えも待たずに書いてしまいます。
かえって効率が悪いかもだったり、forのネストが深かったりしますが、一応両方思いついたので。
ちなみに、質問記事ソースコードのdata1
の最後[3, "2010-07-10", "2010-06-20"]
の終了期日は、おそらく"2010-07-20"
の書き間違いでしょう。
そしてcolumns1 = ["ID", "start_date", "end_date"]
の変数名も数字の付かないcolumns
の書き間違いでしょうね。
「1つのDataFrame内でも重複とみなす」 方法
参考記事
pandas Timestampとdate_rangeの使い方
Python pandas 図でみる データ連結 / 結合処理
pandas.DataFrame, Seriesの重複した行を抽出・削除
あまり洗練されては無さそうな強引な方法です。
ただ、必要ならば全ての重複期間のデータを取得することも出来ます。
- 両方のDataFrameを混ぜてしまう
- 'ID' でグルーピングし、以下を ID 毎に処理する
- 該当期間の1日を1件としてDataFrameに展開して連結する
- pandasの機能を使って1行で重複のチェックと重複件数取得(件数自身には意味なし)
- 重複があれば続けて結果リストにIDを追加する処理が行われる
- 重複が無い場合は例外になってID追加処理が行われないのを利用する、例外は無視する
以下の様な処理になります。
df3 = pd.concat([df1,df2], ignore_index=True)
result_list = []
for ID, grp in df3.groupby('ID'):
arr = []
for index, item in grp.iterrows():
arr.append(pd.DataFrame(pd.date_range(start=item['start_date'], end=item['end_date'])))
arr = pd.concat(arr, ignore_index=True)
try:
dup = arr.duplicated().value_counts()[True]
result_list.append(ID)
except:
pass
print(result_list)
「2つのDataFrame間で重複しないと重複とは見なさない」 方法
参考記事
日付期間の重複チェック
2つの期間が重なり合うかどうかを判定する。
Pythonで多重ループ(ネストしたforループ)からbreak
for のネストは深くなりますが、1件毎のID比較が省略されるので少しは効率が上がるかも。
- DataFrame1を'ID' でグルーピングし、以下を ID 毎に処理する
- DataFrame2から同じ ID のデータを抽出する
- DataFrame1の各データを中間ループ、同IDで抽出したDataFrame2のデータを内側ループとし、参考記事の方法で重複チェック
- 重複があれば結果リストにID追加処理を行い、中間ループもbreakして次のIDの処理に行く
以下になります。
result_list = []
for ID, grp1 in df1.groupby('ID'):
grp2 = df2[df2['ID'] == ID]
for index1, item1 in grp1.iterrows():
start1 = item1['start_date']
end1 = item1['end_date']
for index2, item2 in grp2.iterrows():
if item2['start_date'] <= end1 and start1 <= item2['end_date']:
result_list.append(ID)
break
else:
continue
break
print(result_list)
@Yuki Inoueさんの冒頭を見て「pandas for 遅い」で検索したら、たしかに色々あるようで、そういう主義にもなりますね。
メモ兼用として参考に置いておきます。
pandas.DataFrame のforループをゆるふわ△改良して300倍高速化する
うわっ…私のpandas、遅すぎ…?って時にやるべきこと(先人の知恵より)
pandasで1000万件のデータの前処理を高速にするTips集
pandasで複数カラムを参照して高速に1行1行値を調整する際のメモ
pandas いかたこのたこつぼ / PandasのDataFrameのappendの高速化
python – Pandas:遅い日付変換 / 遅いpandasのread_csvを高速化する方法(dask)
今すぐ使えるpandas高速化テクニック / Pandasでforループを回して処理する方法と注意点
Pythonの高速化のまとめ Ver.1 / 開発者がビッグデータ分析にPythonを使う時によくやる間違い
ISOに従っていないデータをpandas.to_datetime()すると500倍以上遅くなる可能性がある話とその対策
追記:&訂正
実は性能は質問の処理が一番早かったですね。
あくまで質問のデータ件数・内容の条件です。10万件ならば全然変わるでしょう。
計測の仕方を間違えていたので数値を訂正
所要時間
質問:4.7ms前後, @kunif-1:20~21ms, @kunif-2:8ms前後, @Yuki Inoue:17.7ms前後 でした。
Python プログラムの実行パフォーマンスを計測する の「行ごとの処理時間を取得する」で、df1,df2を作成した後の処理部分を計測
メモリ使用増加量
質問:0.110MiB, @kunif-1:0.773MiB, @kunif-2:0.370~0.430MiB, @Yuki Inoue:0.797~0.812MiB でした。
同じ記事の「メモリの使用量を調べる」のmemory_profilerを使って、同様にdf1,df2を作成した後の処理部分を計測