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1の補数を使う処理系にて、整数型の -0+0 は等しいのでしょうか?

以下 int 型を仮定します。
負の0すなわち内部表現 1111<中略>1111 である変数 negative_zero
正の0すなわち内部表現 0000<中略>0000 である変数 positive_zero があるとき

negative_zero == positive_zero は真か偽か?
negative_zero != positive_zero は真か偽か?
negative_zero < positive_zero は真か偽か?

ISO/IEC 14882:1998 をチラ見した範囲でははっきりとした規定が見つかりませんでした。

浮動小数点数 IEEE754 では -0.0 == +0.0 なわけですが・・・

3
  • C/C++のコンパイラがある1の補数なシステムってあるのでしょうか。UNIVAC1100系だと命令セットのTestEqualは単純なビット比較なので-0と0は等しくないですが、TestZeroでは-0/+0ともに真になったと思います。
    – packet0
    2016年6月28日 12:28
  • 1
    IEEE574->IEEE754でしょうか?
    – letrec
    2016年6月29日 3:59
  • @letrec typo っすね。訂正しておきます
    – 774RR
    2016年6月29日 4:13

7 件の回答 7

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具体的なアーキテクチャではなく標準仕様 (ANSI/ISO C) の話として答えると、 -0+0 が等しいという規定は無いように思います。

1の補数系 (や、符号+絶対値) を利用するアーキテクチャでも -0 をサポートしない可能性があること (その場合はトラップ表現扱い)、-0 は通常の演算結果としては発生しない (ビット演算などで無理矢理作り出すしかない) こと、ビット演算を利用しても必ずしも -0 が生成されないこと、生成された場合でも変数に格納した時点で +0 に変換される可能性があることから、積極的に利用する機能では無さそうです。

1
  • JIS X 3010:2003 にてその辺の文言を見つけました。自己回答にてフォローしておきます。
    – 774RR
    2016年6月29日 1:02
3

JIS X 3014:2003 ( 言語規格書) にて

3.9 型
4項の注釈 *37
この規定は のメモリモデルを JIS X 3010 と互換にすることを意図している

という文書を見つけたので JIS X 3010 を読んでみました。

JIS X 3010:2003 ( 言語規格書) にて次の解説を見つけました。部分引用します。

6.2.6.2 整数型
符号ビットが1ですべての値ビットが0である数(符号と絶対値若しくは2の補数の場合)、
または符号ビットが1ですべての値ビットが1である値(1の補数の場合)
が、トラップ表現であるか又は通常の値であるかも処理系定義とする。

[符号と絶対値または1の補数の場合] この表現が通常の値であるならば、これを負の0と呼ぶ。

[処理系が負の0をサポートする場合に、演算が]
実際に負の0を生成するか、又は通常の0を生成するかは未規定とする。
負の0がオブジェクトに格納されるとき通常の0になるかどうかも未規定とする。

[処理系が負の0をサポートしない場合] 負の0を生成する演算の結果は未定義とする。

(これらに相当する解説を JIS X 3014:2003 中で見つけることができませんでした)
には解説あるのでしょうか?)

そもそも負の0がトラップ表現や未定義になるのであれば「使っちゃいけない」のであって、
比較すること以前の問題なようです。

実在する1の補数を使う処理系 ( が実装されているかはおいといて) では
整数型の一致比較は既に回答のあるとおり「ビットパターンの一致比較」で実装されていると思うので
-0 != +0 は真 -0 == +0 は偽、と考えてほぼ間違いないようです。
-0 < +0 はこれだけだと微妙ですが符号ビットが違うので真になると期待したいところです。
(「未定義」の動作の中には「プログラマが勝手に期待するとおりの動作」も含まれますし)

まあ今時1の補数を使う処理系がどれだけ存在するか、実用されるかは定かではありませんが。
オイラも実用したことはありませんし
コンピュータ内では2の補数が使われていますか1の補数が使われていますか

2

C11仕様書最終ドラフト N1570 を確認しました。

6.5.9 Equality operators (p.96)
...
Semantics
3 The == (equal to) and != (not equal to) operators are analogous to the relational operators except for their lower precedence.108) Each of the operators yields 1 if the specified relation is true and 0 if it is false. The result has type int. For any pair of operands, exactly one of the relations is true.

とだけあり、指定された関係(the specified relation)が真なら1、偽なら0としか規定されていません。つまり、ビット列が同じであれば必ず真(逆に言うとビット列が違っていれば必ず偽)ということではありません。 この関係とは何かということは具体的には次の所で言及されています。

7.12.14 Comparison macros (p.259)
1 The relational and equality operators support the usual mathematical relationships between numeric values. For any ordered pair of numeric values exactly one of the relationships — less, greater, and equal — is true.

関係演算子と等価演算子は通常の数学的関係(the usual mathematical relationships)をサポートしているとしています。(上の引用文の後にNaNに対する言及があります。)

上記のことから、C11における==及び!=は数学的関係における等価と同じとなっています。そのため、浮動小数点数における+0.0-0.0は等しいとなっています(これはC11がIEEE754を採用しているからではなく、C11がIEEE754をそのまま採用できる浮動小数点数を規定しているだけに過ぎません)。これと同様に、1の補数系での+0-0は数学的に等しいと考えら、==は真、!=は偽になると推測されます。

C++については確認していません。1の補数系である処理系が手元にないため、実際にそうなのまではわかりません。正式な仕様書ISO/IEC 9899:2011は持っていないので、そこまでは確認できていません。

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  • X3010:2003 の 7.12 は <math.h> の章であり 7.12.14 の文言は <math.h> 中で定義されているマクロの挙動に限定されている、とオイラは判断します。なので 7.12.14 の主張は浮動小数点数限定であり、整数演算には適用されないとオイラは思ってます。
    – 774RR
    2016年6月30日 3:58
  • 7.12の冒頭の最後で"Integer arithmetic functions and conversion functions are discussed later."と述べており、浮動小数点数に限定して述べている章ではないかと思います。もし、浮動小数点数限定であれば、numeric valuesという表現はおかしくはないでしょうか?また、Cは演算子のオーバーロードやオーバーライドがないため、マクロの挙動が演算子に影響を与えることはないと思いますが、いかがでしょうか?
    – raccy
    2016年6月30日 9:12
  • C言語が「通常の数学的関係」に極力従うということは@らっしーさんのおっしゃる通り正しいような気がします(なのでC言語で書かれた-0==+0は真)。ただ理由はあげられた章ではなくAnnex H. Language independent arithmeticにある"C language supports the ISO/IEC 10967−1 standard for language-independent arithmetic (LIA−1)"という文で、LIA-1にはIntegerに関しても演算が定義されています。LIA-1の4.1.2 Operators and relationsに”All prefix and infix operators have their conventional (exact) mathematical meaning. "とありそのあとの定義は全てここであげられた"operator"のみ使われているので==が意味するのはC言語では数学的な=ということになります。ちなみに、これを1の補数を使う処理系で実現するためには-0が起こりうる演算結果同士の比較にコンパイラは複数の命令を使わざるを得ないと思うので、とても不効率な処理系に思えます。
    – packet0
    2016年6月30日 11:42
  • もともとこのネタを振った要因は ja.stackoverflow.com/questions/27060 で、1の補数系で符号あり1ビットのビットフィールドが -0 と +0 になるな・・・と思ったところにあります。この場合に1ビットフィールドの比較が意味あるのだろうか、と思うとなんだかもやもやします。
    – 774RR
    2016年6月30日 12:01
  • すみませんAnnex H. Language independent arithmeticから"C language supports the ISO/IEC 10967−1 standard for language-independent arithmetic (LIA−1)"と引用しましたが文全体は"This annex documents the extent to which the C language supports the ISO/IEC 10967−1 standard for language-independent arithmetic (LIA−1)"であり意味が変わるので不適切でした。ただそのあとH.2.2 Integer typesに"The signed C integer types int, long int, long long int, and the corresponding unsigned types are compatible with LIA−1. "とあることや、H.2.2.1 Integer operationsにLIA-1との関連付けもあるので結論は同じです。
    – packet0
    2016年6月30日 12:07
2

本家 stackoverflow を検索してみました。
https://stackoverflow.com/questions/34148992/

元質問が int negzero = -0; と書いてありそりゃただの(正の)ゼロだろと突っ込みが入って
そっち系の回答にチェックが付いてしまっています。
が、チェックの無い Serge Bastella 氏の回答のほうが今回オイラの求めているものに近いはずで
それによると

ISO/IEC 9899:<不明>
6.2.6.2 処理系が負の0を生成するのは次に示す演算の場合に限られなければならない
- 負の0を生成するオペランドを伴った (snip) 演算子
- 一方のオペランドが負の0で、結果が0となる (snip) 演算子
- 上に掲げた2つの場合に基づく複合代入演算子

である以上

std::cout << (1 << negzero) << std::endl;
std::cout << (1 >> negzero) << std::endl;

は「式が0を生成しない」がゆえに負の0も正の0と同じ振る舞いをし 1 以外にはならない。

std::cout<<(~negzero)<<(~zero)<<std::endl;

は詰め物ビットがあっても良いという規定により処理系定義

std::cout<<(negzero < zero)<<std::endl;
std::cout<<(negzero <= zero)<<std::endl;
std::cout<<(negzero == zero)<<std::endl;

は(規格書から明確な文言を探しきれなかったので)処理系定義

という意見が述べられています。

オイラ的には文言「処理系定義」は言語規格書にそう明示されている場合に限ると解釈しているので
後者2つは「未規定」であると思うところです。


JIS X 3010:2003, ISO/IEC 9899:1999 の 7.12 には

整数算術関数および文字列変換関数は 7.20 で規定する

とあります。
C11 ドラフトの later の文言は「採択版で章番号が決定したらそれに書き直す」程度の意図で、
やはりこの章 7.12 は整数に関しては対象外な気がします。

LIA-1 についてはまだ検証していません。

2

C++20では符号付き整数型が2の補数表現であることを規定されました。C++言語では1の補数を使う処理系がサポートされなくなりました。

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C/C++のコンパイラがある1の補数なシステムってあるのでしょうか?
昔のUNIVAC1100系だと命令セットのTestEqual(==)/TestNotEqual(!=)は単純なビット比較なので-0と0は等しくないです。代わり(?)にゼロかを確認する専用の命令TestZero/TestNonZeroでは-0/+0ともに同じ扱いです。

まとめると
+0 == -0:偽
+0 != -0:真
+0 > -0:真

ソース(データシートとかではないです):Minus ZeroUNIVAC1100 Instruction Set

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今更ですが

古いCも含めて考えると、C言語が元々アセンブラの薄いラッパー(wrapper)で、処理系定義が基本的な考え方として考えると、1の補数処理系でもCPUの比較命令(x86で言うCMP)の結果そのものが使われると思います。なので、使うCの世代の仕様(コンパイラの仕様書)を見てはっきりしない時は使うCPUの仕様を見た方が確実かも知れません。

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