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Rust言語では ref パターンを使って右辺の式の参照を暗に取る事ができると思います。

// Copyではない適当な型
struct Val{
    value: u32
}

fn main() {
    let x: Val = Val { value: 32 };
    let rx1: &Val = &x; // 普通に参照を取る
    let ref rx2: Val = x; // 参照を暗に取る
    let ref rx3: Val = x; // 何度でも取れる
    println!("{}", x.value); // 単に参照をとっているだけなのでmoveされておらずxは使える
}

この文法を関数引数で使ってみます。

struct Val {
    value: u32
}

// refでとってみる
fn test(ref v: Val) {
    println!("test: {}", v.value)
}

fn main() {
    let x: Val = Val { value: 32 };
    test(x); // しかし残念ながらここでmoveされていて
    test(x) // コンパイルエラー(value used here after move)
}

しかしこの場合は引数はmoveされてしまい、二度使う事ができません。
こういう形でrefを使った場合にxがmoveされる理由をご存知の方がいたら教えて頂けませんか。

1 件の回答 1

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let x: Valのときtest(x)とすると、関数の引数は「値渡し」になります。値渡しでは、値が関数の引数の領域へmoveします。

mainではスタック領域上にxのための領域があります。

mainのスタックフレーム
  x    | Val { value: 32}

testを呼ぶと、まずmainxの値が、testの引数の領域(arg0としました)にmoveします。

testのスタックフレーム
  v    | 初期化されてない状態
  arg0 | Val { value: 32}

mainのスタックフレーム
  x    | 初期化されてない状態(move済み)

そしてvにはarg0への参照が置かれます。

testのスタックフレーム
  v    | &arg0
  arg0 | Val { value: 32}

mainのスタックフレーム
  x    | 初期化されてない状態(move済み)

これを擬似的なコードで示すと、以下のようになります。

fn test(arg0: Val) {
    let ref v = arg0;
    println!("test: {}", v.value)
}

このように動作しますので、xの値がmoveするわけです。

参考: https://users.rust-lang.org/t/ref-and-for-function-arguments/12790

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  • ありがとうございます。一度スタックフレームにmoveされるというのは、なるほどという感じです。言語デザイン的にはこの辺の決定にはいろいろありそうですね……。
    – rugamaga
    2019年1月1日 10:51

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